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知り合いの人が佐賀県に旅行に行った時、海岸の藪の中にデモルフォセカのような花が咲いていたので持って帰ってきたといただいたのがこの花との出会いでした。
まず名前がわからない、ずっと昔見た草物盆栽の本に、白黒写真だったけれど似た花があったのを思い出して、この名前にたどり着きました。浜辺の菊ともいいますしパープルアレナリウスともいいます。お好きなように呼んでください。
ちなみに私は浜辺の菊と呼ぶのが好きです。時々、パープルアレナリウスなんて呼べば、なんだか植物学者になった気分が味わえます。
日本人好みのシックな薄紫色…う〜ん癒される!市場には3年ほど出荷しましたが、
良いとは言えない評価でした。なぜならその時期、キク科の植物が花盛りです。
野生種の薄紫なんてぜんぜん目立たないんです。かわいそうに…
唯一、私だけが細々と栽培を続けていますがとうとう5株ほどになりました。
これは一大事、気合を入れて繁殖するぞと思っています。
海岸育ちなので、ちまたの園芸種みたいにいうことを聞いてくれません!わがままな性格です。ひ弱そうですが、かなり乾燥には強いようです。
夏場はくたびれているのに、9月になると急に元気になって蕾を新芽の先端につけ始めます。かなりたくさんつきます。枝を誘引すれば、サイネリアみたいに整えることもできます。一雨降ると根元の葉がすぐに痛むのが欠点だと長年思っていました。
「なんか栽培しにくいぞ」とか「可愛がってやんないぞ」(笑)なんて思って、3年ほどかまってやれなくて5株まで少なくなってしまい申し訳ないです。
このごろふと気が付きました。この花たちは、砂地のところや岩の隙間の苛酷な環境に適応している植物なんだなと。土も肥料もない、あるのは光合成で生産した自分の葉っぱだけ、枯れ葉になっても茎に残り、雨が降ると強制的に葉を枯らし水分を含ませる、そして自分の枯葉で腐葉土を作る、「実に巧みに生き延びてきたんだな」と、考えるようになりました。
それで今年は、この花が可愛くなってまたたくさん増やしてやるぞと思っています。でもあんまり売れないのでそこそこに…
12月でもチラホラわびしげに咲きます。草物盆栽なんかピッタリです。ロックガーデンにもお奨めです。精一杯可愛がって園芸種に対抗するのも楽しみです。そこそこ負けないと思いますよ。だってだれからもかまってもらえない野生の出身ですから。
ちなみに、鹿児島から島根県にかけての日本海側の海岸に自生しているそうですが、採りに行かないで下さい。頑張って根をおろしているのですから。私は挿し木した苗をいただきました。
入手方法は、市場価格は高くないのでお花屋さんで探すか、私の次男坊がやる予定のネット販売で手に入れてください。ちょっとコマーシャルな〜んてね |